こんにちは、ヒロです。

 

 

勝利を目前にした時に、

 

最後までスキを見せずに戦うのか

 

どこか慢心がある状態で戦うのか

 

勝利の女神がほほ笑むのは、
間違いなく前者であると。

 

 

 

 

 

7月の日曜日、名古屋市内。

 

この日は、大学時代の先輩と
二人組でナンパしていました。

 

二人組でナンパをすることをコンビナンパといいます。

 

この時の先輩はナンパを始めて1ケ月ぐらい。

 

まだ1人でやるには勇気が出ないということで
僕がサポートしながら二人で声かけをしていました。

 

20時ごろ、栄の大津通を
スーツの女性二人が歩いていました。

 

先輩と二人で挟み込むように声かけ。

 

「これから飲みに行くんだけど一緒に行かない?」

 

「俺たち10年以上の付き合いだからさ、2人で飲むの飽きちゃって」

 

「お水だけご馳走してあげるから飲みに行こ」

 

「名古屋で一番おいしいお水が出てくるお店知ってるからそこで飲もう」

 

コンビナンパでは
文字通りコンビネーションが大切です。

 

俺たちについて来たら楽しいよという雰囲気を
二人で演出しました。

 

『ナンパですか?』

 

『何人に声かけたんですか?』

 

『私達そんなに付いて行きそうに見えますか?』

 

といった定番の返しを受けましたが、

 

「ナンパだよー、正直3人目だよ」

 

「ついてきそうにないから逆に声かけたよ。ホイホイ付いて行くような軽い女に興味ないし」

 

「こんな正直にナンパする人いないから、うちらは超安全だよ」

 

こんな感じで粘ってると、
意外にあっさりと連れ出しの承諾をもらいました。

 

 

この二人組は、
仕事の勉強会のあと、二人で晩飯を食べた帰りで、
家に帰ると次の日の仕事のことを考えちゃうから
まだ帰りたくなかったとのこと。

 

保険の営業職、セールスレディ。

新卒社員。

かわいい系。

二人とも肩ぐらいまでのショートカット。

 

そのうちの1人が
僕のどストライクでタイプな子で

タイトなシャツを着ていたので
胸のふくらみがやたら目につきました。

 

でかすぎず、小さすぎない、良質の乳房。

 

ムチムチボディに視線を奪われそうでしたが、
ヤラシイ視線はNGだと思い、
胸部に視線がいかないよう必死に目をそらしました。

 

おっとりしたマイペースな感じの女の子たちで

「それで本当に営業できるの?」

って突っ込んだりしながら4人で楽しく飲みました。

 

4人とも翌日は仕事だったので
連絡先を交換し、わりと早い時間で解散。

 

女の子たちと別れた後、
同行した先輩とナンパの反省会をしつつ、
どちらの女の子を狙うのか協議しました。

 

僕がタイトなシャツの巨乳子がタイプだと伝えると

 

「お前がいなかったら連れ出せなかったんだから、好きな方を狙ってくれ」

 

と、先輩の優しさを見せてくれました。

 

 

 

さぁ、勝負はここからだ!

 

好みの女の子にラインを送り
二人で飲みに行くことを誘いました。

 

2対2だからついてきただけで、
1対1のデートだと警戒するかも。

 

少しばかり心配しましたが、
すぐにOKの返事がきて安心しました。

 

どストライクの女の子とのアポは
楽しみで仕方ありません。

 

その子と僕は同じ大学出身だったみたいで、
久しぶりに大学時代に遊んでたエリアで飲もうという話になりました。

 

学生時代の友達に教えてもらった
地下鉄東山線の某駅付近のダイニングバーを予約し
決戦の日を待ちました。

 

一緒にコンビナンパをした先輩から

 

「がんばれよ、良い結果を期待している」

 

と、ラインでメッセージをもらいました。

 

 

 

決戦当日、地下鉄の駅の出口付近で彼女を待ちました。

 

「ミスドの前で待ってるから、ついたら教えてね」

 

待ち合わせの約束時刻の5分前にラインを送りました。

 

 

初アポの時の女性を待つ時間、
この時のわくわく感や胸の高鳴りというのは
何度経験しても変わることはありません。

 

期待に胸を膨らませる。

 

この表現が一番適切かなと思います。

 

 

彼女は、約束時間ぴったりに到着しました。

 

『お待たせしました』

 

笑顔で近づいてきた彼女は
仕事着のときよりもかわいくて、女の子っぽく映りました。

 

 

グレーのTシャツにチェックのシャツを羽織り、
下はタイトなデニム。

 

僕自身がそこまでお洒落じゃないからか
デートの時の女の子の格好が
気合入りまくってると
どうしても身構えてしまいます。

 

今回、シンプルでカジュアルな彼女の服装を見て
なんとなく安心している自分がいました。

 

 

「仕事着の時よりも女の子らしくてかわいいね」

 

お世辞ではなく、思った通りのことを伝えました。

 

褒められ慣れてないからか、
照れながら謙遜していまいた。

 

 

 

ダイニングバーに入りビールを注文。

 

彼女はカクテルを注文していました。

 

『かんぱーい』

 

かわいい女の子と飲むお酒は
いつだって美味しいものです。

 

仕事の話、学生時代の話、営業の話、部活の話。

地元の話、恋愛の話、元カレの話。

 

いろいろ話してくれました。

 

 

彼女は九州の出身で、
大学から愛知に出てきたとのこと。

 

部活ばかりやっていて、
高校時代は恋愛を全くしなかった。

 

大学に入ってから先輩と付き合ったが
その先輩が卒業して少し経つと別れてしまった。

 

人生で付き合った人数は2人で
現在も1年近く彼氏がいない状態。

 

なるほど、
これだけかわいいのに謙虚なのは
恋愛経験が少ないからなのか?

 

自分からガツガツ行く肉食系女子には見えないし。

 

どちらにせよ恋愛経験が少ないということは
比較対象となる男性が少ないから
僕にとっては追い風かな?

 

そんなことを考えながら
彼女の話に耳を傾けました。

 

 

お酒を飲みながら話をしていて
もの凄く居心地が良い事に気づきました。

 

同じ大学、同じ西日本出身、体育会の部活。

 

なにかと共通点が多いのもあったけど、
そこに流れる空気感が一致しているように感じました。

 

もしかしたら、相手もそれを感じていたかもしれません。

 

「かわいくて話も合うし、なにより僕自身が自然体でいられる。
この子と付き合えたらきっと毎日が満たされるんだろうな」

 

目の前にいる女の子が
僕の彼女になって過ごす楽しい日々を
僕は、無意識のうちに妄想していました。

 

 

 

お互いけっこうな量のアルコールを飲んで、
それなりに酔っ払いつつ
2軒目に行くことにしました。

 

 

二軒目のお店も僕が知っているバーに行ったのですが
この何年かで店内が改装されたらしく

僕が以前行ったときには無かったであろう
カップルシートの個室に案内してくれました。

 

僕はこの日、次の日が仕事という事もあり、
持ち帰ろうとかそういうことは
一切考えていませんでした。

 

楽しく飲んで健全解散し、
気が合えばその次のデートで勝負すればいいかなと
呑気なことを考えていました。

 

 

しかし、予想外のカップル個室に案内され
一気に距離が縮まります。

 

カクテルとちょっとしたおつまみを注文し
会話を続けました。

 

『今日は本当に楽しいです、誘ってくれてありがとうございます』

 

「それは良かった、今度は三河方面にドライブに行かない?」

 

『行きたいです』

 

「○○日は空いてる?」

 

『空いてますよ、楽しみ~』

 

 

次回のアポを確定させた時点で、
今回のアポの目的は完了していました。

 

今日はお互い十分楽しめました。

 

次の日は仕事だし、
持ち帰る気がないのなら
むこうの気分が良いうちに
さっさと切り上げた方が得策です。

 

 

しかし、
この時すでに大量のアルコールを摂取しており
僕は適正な判断力を失っていました。

 

カップル個室が二人の物理的な距離を縮めたことで
本能が理性を上回るのは時間の問題でした。

 

 

ナンパした時から気になっていたムチムチのカラダが
いま僕の真横に存在し、
仕上がった雰囲気を醸し出しているのです。

 

視覚的な情報だけでなく
距離が接近したことによる嗅覚、
すなわち、彼女から放たれる女性特有のすてきな香りが、
僕の欲望にさらなる刺激を与えました。

 

そして、自然な会話の流れから
彼女への接触を試みるのでした。

 

 

「てかマジでスタイルいいよね」

 

『そんな事ないですよ~』

 

「細いのにおっぱい大きいよね?」

 

『そうですか~?』

 

「何カップあるの?」

 

『Dカップです』

 

そういって
トロンとした目で見つめられたき
僕の両手は彼女の乳房を触っていました。

 

『え~?何してるんですかぁ?』

 

と言いつつも、彼女は首をコクンと
僕のカラダに預けています。

 

『最初のデートでおっぱい触られるとか初めてなんですけどぉ』

 

嫌がることは一切なく、甘ったるい声でなにやら言っています。

 

カップル個室であることをいいことに
僕はブラの下に手を滑り込ませました。

 

顔を紅潮させる彼女、
カラダはビクビクと反応していて
その左手は僕の太ももをさすってきます。

 

これはもう、完全に仕上がっていました。

 

 

 

と、その時、

 

予想外のことが発生しました。

 

 

ガラガラガラ。

 

店員さんが入ってきたのです。

 

 

「ラストオーダーのお時間ですが?」

 

慌てて胸から手を離し、平然を装います。

 

「だ、だいじょうぶです」

 

彼女は入り口と反対側にいたし、
服を脱がせてた訳じゃありません。

 

なので店員さんから見たら
普通のカップルのように
ただ僕にもたれかかっているだけにしか
見えなかったと思います。

 

 

しかし、

 

この瞬間に、

 

彼女は我に返ってしまいました。

 

『てかただのチャラチャラお兄さんじゃないですか』

 

先ほどの甘いトーンとは180度変わり
失望感のこもった冷めたトーンで言い放たれました。

 

やってしまった、大失態・・・

 

『もう帰りましょ』

 

さっさと会計を済ませ、
店を出ました。

 

無言で駅に向かう彼女。

 

必死に言い訳をする哀れな非モテ男。

 

「ごめん、すごい魅力的だったから」

 

「カラダをこっちに預けてくれて、○○も俺に好意を持ってくれたのかと思って」

 

「今日はそんなつもりじゃなかったし、正直付き合いたいとも思ってた」

 

何を言っても無駄でした。

 

『いつもそうやって適当なこと言って口説いてるんですよね?』

 

『うちの大学ってチャラい人、多かったですもんね』

 

『あ、遊ぶ約束はやっぱり無しにしましょ』

 

惨敗。

 

完全にイイ感じだったのに・・・

 

甘い果実は
勝利を目前にしてするりと逃げていきました。

 

 

付き合いたいと思ったのは本音でした。

 

外見もかわいかったし、
本当に謙虚でいい子でした。

 

共通点も多く、趣味や興味の対象も似ていました。

 

そしてなにより、僕自身が自然体でいられること。

 

これが大きかった。

 

 

しかし、
店員がラストオーダーを取りにくるという
本当にあっけない幕切れで
ゲームセットを迎えることになりました。

 

 

 

 

 

店員が入ってきたから負けたのか?

 

いや、それは違います。

 

彼女と接近したのも
たまたまカップル個室に誘導されたからだし
それが無かったらあの状況はなかったわけで。

 

敗因は、自分自身をコントロールできなかったことにあると思います。

 

お酒を飲み過ぎて適正な判断ができなかったこと。

 

最初から持ち帰る気が無いのに中途半端に接触してしまった事。

 

店員がラストオーダーを取りにくるというリスクを考慮しなかったこと。

 

接触するのであれば肩を抱く、
手をつなぐ程度にとどめておくこと。

 

それ以上進むのであれば、
家に行く、ホテルに行くなど、
完全に二人きりになれる場所に移動するなど。

 

 

 

挙げればキリがありませんが
逃した魚は大きかったなと後悔です。

 

詰めの甘さ。

 

今回のアポは、この言葉に集約されると思います。

 

これらも全て、自分の実力だということですね。