藤沢数希さんの恋愛工学の中では
モテない男が女性に近づく方法の代表例として
フレンドシップ戦略を紹介しています。

 

モテない男が女性に近づくときに
セックスしたい気持ちを一切見せず友達になろうとし、

友達としての親密度を深めてから
最後に告白して彼女になってもらうという戦略です。

 

しかし、この戦略をとる男のことを
女性はすぐに友達フォルダに仕分けし
恋人候補から除外するというのですが・・・

 

 

(前編はこちら)
 

 

石原さとみ似の女子大生との2回目のアポは焼肉屋でした。

 

焼き肉が好きとのことだったので、
車で迎えに行き、近くのチェーン店に入りました。

 

食事をしながらいろいろ話していると
だんだんと彼女の魅力が伝わってきました。

 

とても前向きで明るくて、
自分なりの価値観や将来の目標を持っていて
ただかわいいだけじゃなく、
内面も魅力的だと感じました。

 

帰りの車の中、笑顔の彼女を見て
僕はいま、恋に落ちていると分かりました。

 

好意があることを悟られないように
細心の注意を払いながら
彼女には指一本触れず家まで送りました。

 

健全デート、健全解散です。

 

 

次のデートは、5月のGWでした。
なばなの里にチューリップ祭りを見に行きました。

 

春の暖かな日差しが
気持ちを前向きにさせてくれます。

 

キレイに咲き誇るチューリップを見ながら
天使のような女子大生と二人並んで歩くのは至福のときでした。

 

その後、三井アウトレットモールでお買い物をし、
カフェでケーキを食べながら、
その笑顔に癒されました。

 

まさに最高の休日。

 

しかしこの日は、
僕にとって一大イベントがありました。

 

彼女の家まで車で送る途中、
家に到着する少し前に車を止めました。

 

そして、意を決して告白しました。

 

「君のことが好きだから、僕の彼女になってほしい」

 

彼女は驚いていました。

 

3日後、ラインが届きました。

 

「いろいろ考えたんですけど、いまは誰かと付き合わない方がいいと思ったんで。ごめんなさい」

 

なんとなく予想はしていたけどショックでした。
高嶺の花だったんだと思い、ラインに返信をしました。

 

「返事ありがとう。友達としてでもいいから、また遊びに行ったり食事したりしよう」

 

親切な彼女は

「わかりました。本当にごめんなさい。」

と返事をくれました。

 

 

ここから、僕の非モテコミットとフレンドシップ戦略に拍車がかかりました。

 

 

その後も食事に行ったり
ドライブに行ったりしたのですが
指一本触れることはありませんでした。

 

異性として興味があることを必死に隠して
友達として楽しく過ごすことを心がけました。

 

就職が決まった時には
お祝いで高価な焼き肉をご馳走してあげました。

 

会計は2人で5万円。

ボーナスの時期だから大丈夫だと自分に言い聞かせました。

 

普段、焼き肉を食べに行っても、
男二人で6000円ぐらいです。

 

だけどこの日は、一皿6000円の肉を食べてました。

 

肉は美味しかったけど、
かなり見栄を張って無理してました。

 

 

季節は秋になりました。

 

その日は、二人でドライブに行く約束をしていました。

 

浜松の中田島砂丘に行きたいと言われたので
車で連れて行ってあげました。

 

デート中、いつもと表情が違うなと感じたので
軽い気持ちで聞いてみました。

 

「何かあった?いつもと少し表情が違うけど」

 

と聞くと、
ちょっと下を向いて、
その時は何も答えませんでした。

 

 

帰る途中、女子大生の家の近くの喫茶店で
お茶することになりました。

 

「砂丘は広かったね」

 

とか

 

「さわやかハンバーグは美味しかったね」

 

と、一日を振り返って話してたのですが

 

だんだんと、
何か言いたげな表情に変わっていきました。

 

そして、堰を切ったように
いままでため込んでいたものを吐き出すかのように
女子大生は話し始めました。

 

男関係、夜遊び、愛人契約、その他もろもろ

 

それらに付随する悩み、不安、ストレスなど
包み隠さず話してくれました。

 

 

正直、開いた口が塞がりませんでした。

 

 

笑顔が素敵な女子大生には
前向きで明るくて価値観がしっかりした表の顔と、
軽々しく口にできないような裏の顔があることを知りました。

 

僕は、ただただ黙って、彼女の話を聞いているだけでした。

 

「こんな話しても顔色一つ変えずに聞いてくれるんですね」

 

「やっぱり大人ですね、すごい。全く動じないんですね」

 

いや、違う。

 

動じないフリをしているだけ。

 

返す言葉が見つからないから
何も言えないというのが正しい表現です。

 

動揺しまくりで
どうしたらいいのかわかりませんでした。

 

もしかしたらこの時、
本当の意味で受け入れてあげれば
彼女と付き合うことができたかもしれません。

 

しかし、恋愛偏差値の低い僕の器は
予想外の現実を受け入れられるほど大きくはありませんでした。

 

非モテコミットしている僕は暴走を始めました。

 

女子大生の家に到着する少し前に車を止め、
僕は2度目の告白をしました。

 

「全部受け入れる。僕が君を救う。だから付き合ってほしい。」

 

本当に受け入れることができていたら
このタイミングで告白なんてしなかったはずです。

 

彼女にとってのヒーローになりたい。

 

そんなエゴが暴走した告白でした。

 

「ごめんなさい、今すぐ返事はできない。」

 

 

その日の夜は眠れませんでした。

 

なんとかして彼女を救ってあげたい。

 

彼女を救うために僕が考えた方法は
様々な過去の傷から立ち直った女性が書いた書籍を
彼女に読んでもらうというものでした。

 

 

翌日、どうしても渡したいものがあると言って
彼女の家に行きました。

 

そして、一冊の本を渡しました。

 

「これを読んで欲しい。きっと、何か変わるから」

 

 

そもそもの話、彼女は僕に救ってほしいなんて
思ってなかったはずです。

 

ただ話を聞いてくれて、受け入れてほしかっただけだと思います。

 

余計なアドバイスなんて不要だし
書籍を渡して読めだなんて
おせっかいにも程があります。

 

 

次の日、ラインが届きました。

 

「やっぱり付き合えない、ごめんなさい」

 

 

ショックでした。

 

ショックだったけれど、
非モテコミットしている僕はまだ諦めませんでした。

 

「わかった、友達でいいからまた食事に行こう」

 

 

 

季節は冬になっていました。

 

彼女の誕生日を知っていた僕は、
彼女が欲しいものを事前にリサーチしていました。

 

 

某ブランドの腕時計。
値段は3万円ぐらい。

 

海外のネットショップから取り寄せました。

 

 

そして、彼女の誕生日の翌々日、
アポを取り付けることができました。

 

彼女が大好きな焼き肉、高級店。

 

食事をしているときの彼女はいつも笑顔でした。
その笑顔を見るだけで幸せでした

 

会計は4万円。もちろん僕のおごりです。

 

プレゼントと合わせて7万円。

 

付き合っている恋人ではありません。

 

僕自身も一般のサラリーマン、
お金持ちの経営者でもありません。

 

相手は女子大生。

しかもこっちが一方的に好きになって
2回もフラれている相手です。

 

女子大生の方から
高い料理が食べたいとか、
プレゼントがほしいとか
言われたことは一度もありませんでした。

 

それなのに、
僕は彼女に気に入られたい一心で
何人もの諭吉さんを手放しました。

 

 

帰り際に、プレゼントの腕時計を渡しました。

 

予想していなかったのか、彼女は驚いていました。

 

「ありがとうございます」

 

と笑顔で言ってくれました。

 

 

サプライズ完璧だ。
きっとこれで振り向いてくれる。

 

そう信じていました。

 

しかし、その日以降、彼女とは音信普通となりました。

 

 

今までは友達としてでも食事につき合ってくれた。
しかし、音信普通は1ミリの可能性も残りません。

 

もう本当に脈がないのだと理解し
女子大生のことを諦めました。

 

僕は一人で泣きました。

 

 

彼女を送った後、車の後部座席には
僕が一方的に渡した一冊の本が置いてあるのに気づきました。

 

ちゃんと返してくれるとは律儀な子だなと
妙なところで感心しました。

 

 

こうして、僕の一年近くにわたる片思いは
終わりを告げることになりました。

 

 

 

いまになって思うのは、
彼女が僕に何を求めていたのか、
全く理解していなかったと思います。

 

彼女が人には言えない話をしてくれた後、
本当の意味で受け入れることができれば
結果は違っていたかもしれません。

 

しかし、動揺を隠せずに突拍子もなく告白してしまい
本を読めというおせっかい。

 

さらには彼氏でもないのに
プレゼントを渡されるという重荷。

 

すべては自分の自信の無さからの行動だったと思います。

 

プレゼントや高級な食事で気を引こうとしても
その男性自体に魅力を感じなければ好きなってはくれません。

 

そもそも、連れ出した時点から
美人だと思って遠慮して
当たり障りのない会話に終始し

 

ただの「いい人」になってしまったところに
根本的な原因があると思います。

 

 

数多くの教訓を残し、
10歳近く歳が離れた女子大生への
一年にわたる片思いに終止符を打ちました。

 

PS.

 

音信不通から半年後、街で偶然彼女と遭遇しました。

 

「あの時はいろいろとすいませんでした。
 今は私生活もちゃんとしているので、もう大丈夫です」

 

「そうなんだ、それは良かった」

 

「私はいまの彼氏が大好きです。本当にありがとうございました」

 

「こちらこそ、元気そうでよかったよ」

 

そう言って、僕はその場を立ち去りました。

 

あなたのおかげで多くを学べた。
感謝している。

 

今回の教訓を糧にして、
いつか必ず、
あなたよりも魅力的で美しい女性をゲットしてみせる。

 

そう心の中でつぶやいて
ストリートナンパに繰り出すのでした。